転職支援の新たな展開
「大学の研究では特にコンピュータ処理にかかわりがなく、ITは畑違いの分野でした。
でも、システム設計とは、ユーザーから与えられた課題を掘り下げて分析し、それをコンピュータが動くコードの形に翻訳、再構築する仕事です。
実はこれって、表面に見える現象を細分化し、物理法則に翻訳しながら仮説を構築するのと似ていて、大学でやっていた分析手法に通じるものなんです」。
研究者出身のKさんにとって、課題に対して論理的に迫り、自分の解釈を洗練された回答で表現するというIT技術者の仕事は刺激的に思えた。
それがシステムという成果として世に出たとき、どれだけ役に立つのかという面白さもあった。
チャレンジする価値があると、強く感じたのだ。
「大学院での研究をやめて、もったいないという気持ちはあったけれど」、Kさんは決断し、未知なるITという実力勝負の世界に飛び込んだ。
もちろん、飛び込むからには自分なりの勝算は持っている。
IT業界にはこの先まだまだ将来性がある。
その中で実力をつければ、いずれはリードする立場にも立てるのではないかとKさんは考える。
自分のやりたいことが見つかったときは、たとえいままでの延長線上にないものであったとして大学院を中退する。
AでIT新卒特定派遣として働く。
そう周囲に伝えると、それまで抱いていたKさんの「慎重な人」というイメージが崩れた、と驚かれることもあったという。
「どちらかというと自分でも『石橋を叩いて渡る』方の性格だと思う。
でも、そうかと思えば案外楽天的なところもあって、ときどき思い切った決断をすることがある」とは、Kさんの自己分析だ。
驚いた友人もKさんを応援してくれた。
両親は心配はしたが、「自分が選んだならいいんじゃないか」と理解してくれた。
「まず、生まれたてというところがいい。
1期生としていろいろなことに自分たちで積極的に関わって、会社の経営にも参画できるというし、契約が5年に限られる点も、逆に、短期間で技術を身につけるためにはプラスだろうと思いました。
契約社員という雇用形態へのこだわりはなかったでも、決断して選垂と思っています」「5年間の有期雇用だという不安は全くなかったですね。
むしろ、5年で終わることに魅力を感じていました」と、Sさん(2005年入社・5期生)はさらりと言った。
就職活動中、IT業界の会社説明会で先輩社員の話を何度か聞きましたが、大手でも、ITの仕事をしている人ってほとんど転職してしまうらしいんです。
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